外壁塗装の悪徳業者を見分ける4つのチェックポイント
一般に外壁塗装工事ほど手抜きをしやすい工事はないと言われています。悲しいことですが、それほど塗装業界に悪徳業者が多く存在します。
塗装検討者は結局、他の業者と比較すること無く、たまたま初めて出会った業者で決めてしまう事がほとんどで、後からよく調べてみると「相場とはかけ離れた金額で施工させられていた!」ということはよく聞く話です。
しかし、こうして我々が誠意をもって皆様にお伝えしてもまだまだ悪徳業者に引っかかってしまうお客様が残念ながら数多くいらっしゃいます。そこで、そんな悪徳業者にだまされないために、悪徳業者の特徴や手口、その注意点や対処法の4つのポイントを紹介します。
悪徳業者が多い理由
悪徳業者は簡単に言うと相場より高い金額で商品を売ったり、コスト削減の為、施工を中途半端にやったりなど、悪知恵を働かせ利益を増やそうとする業者のことを指すが、それではなぜこの業界には悪徳業者が多く、騙されやすい人が多いのでしょうか。その理由は大きく2つあります。
〇定価がなく、相場が一般的に知られていない
〇誰が塗装しても、塗装後は綺麗に見えてしまう
まず、価格相場がわからないものにそれが高いのか安いのかという判断ができない。さらに、壁をペンキで塗ってそれがうまいのか下手なのか素人目には到底判断がつかない。要は高く契約して手抜き工事をしてもわからないのです。この業界は非常に「騙しやすい」環境にあります。 それではその理由を一つずつ詳しく説明していきましょう。
定価がなく、相場が一般的に知られていない為、高い値段を言われてもわからない
塗装工事は先程もお伝えしたように、定価がありません。定価がない理由は明確で、「一般的に、相場を知らないから」です。
新車を例えにしてみよう。新車の場合、どこで買ってもほとんど同じ商品・値段で購入することができます。160万円前後で販売されている車が他で300万円で売られていれば誰でもその値段に疑問を抱くのではないでしょうか。
ところが、外壁塗装はそうはいきません。何処で見積りをとっても定価はバラバラです。100㎡で100万円と言われてもそれが高いのか、安いのか、判断できますでしょうか。
もうお気づきだとは思いますが、外壁塗装は相場がない分、高い値段を言われてもそれが適正なのかがわかりません。よって悪徳業者は高めの値段を言って、それが定価だと言い張るのです。
ただし、適正価格は存在します。まず自分の家の塗装工事の見積もりが適正かどうかは、施工事例に外壁塗装の相場の事例が数多く掲載しているので、自分の家に近い施工事例を探して相場を把握してください。
誰が塗装しても、塗装後は綺麗に見える
外壁や屋根の塗装には長く耐久性を保ち、かつ美しく仕上げるために1度の工事に通常3回の塗装作業が発生します。
下塗り(1回目の塗装)
中塗り(2回目の塗装)
上塗り(3回目の塗装)
悪徳業者は通常3回は塗らなければならない所を1回や2回で終わらせてしまいます。なぜなら、その方がコストを削減でき、時間もかからないからです。3回塗った事実など、素人では到底分かり得ないのです。
外壁塗装は本来、塗料によって水を加える比率が決まっていたり、塗る回数も塗料メーカーで指定されています。指定された仕様を守らなければ本来の塗料の機能が発揮されないのはもちろん、耐久性にも影響が出てしまいます。
塗装直後に見分けが付けば良いのですが、これがわからない。この影響が数年経った後、初めて気づくのです。ここで悪徳業者は悪知恵を働かせ、通常より水を多く加え塗料を薄めたり、塗る回数を減らしたりして、人件費や塗料のコストを抑え、全体的なコスト削減をしようとするのです。
訪問販売の殆どは相場からかけ離れている
悪徳業者で最も使われる手法は訪問販売です。
訪問販売は相見積もりする隙や、考える時間を与えさせないためには有効な手段なため、お客様を脅し、
「今すぐ契約しないと家が大変なことになる!」
「今契約すると半額になる」
などと、簡単な口実にのせられ、ついつい契約してしまうのです。
あなたも見に覚えがあるのではないでしょうか。万が一、同じようなことが今発生しているのであれば、一旦心を落ち着かせ、よく考えなおしてください。
では、その業者が本当に悪徳業者なのか、判断するために、よくある悪徳業者の手法を紹介しましょう。次の何れかに当てはまる場合、ほぼ確実に悪徳業者であると言っても過言ではないでしょう。
悪徳業者が使うよくある5つの手口
ここでは悪徳業者がよく使う手口をご紹介します。
しかし、いくら注意しようとしても騙されてしまうのが現実です。
さらに注意が必要なのが、悪徳業者と言っても法律に違反しているわけではないということです。また、あからさまに人相が悪かったり詐欺師らしい格好をしているわけではないのでたちが悪いのです。
むしろスーツなどを来て小綺麗な格好をしていかにも”信頼できそう”な風貌をしていることがほとんどなのです。それでは悪徳業者のよくある5つの手口を見ていただきましょう。
契約を急がせる
口約束で工事を決めようとしたり、「ただいまキャンペーン中で、本日契約してくだされば、モニター価格で大幅に割引します」など、契約を急がせる業者がいます。これはつまり、相場が知られる前に悪徳業者は契約をしてしまいたいのです。
急いで契約をしていいことは何一つありません。出会った当日に契約書にサインをしてしまってはいないでしょうか。そこで、典型的な例を下記に記載したので見てください。
業 者「奥様、大変です。ここのヒビ割れを見て下さい。このままだと1ヶ月もしないうちに雨漏りが発生します!」
あなた「そうなんですか!?でも今はお金もなくて、とても修理出来る余裕が…」
業 者「ご安心下さい。今月は特別キャンペーンを行っておりまして、今契約して頂ければ、通常の半額で施工が可能なんです!」
これはほんの一例ですが、面白いようによく使われる手法なので、頭に入れておいて頂きたいです。外壁塗装は一生に数える程しかやらない一大イベント。それをたった1日で決めてしまってはいないでしょうか。
不安を煽る
悪徳業者は下記のように、やたら不安を煽る事を言ってきます。
業者「このままだと大変な事になる」
業者「今すぐ工事しないと取り返しのつかない事になる」
本当の場合もありますが、塗装工事というものは基本的に緊急性は伴わない。明日塗装しなければ家が倒壊するという場合話は別だが、そんなことほぼありません。
悪徳業者は言葉巧みに不安を煽り、「今スグやらなくては」という気持ちにさせてしまうのです。
長過ぎる耐久年数を提示してくる
塗料はどんなに長い耐久性のあるものでも20年。それを30年や、40年もつなどと平気で嘘をつくのです。塗料はかなりもって20年程度、外壁や屋根の塗装は10年も過ぎれば検討しなくてはいけないのです。下記のように言ってくる業者は怪しいと思って間違いありません。
業者「この塗料なら30年は持ちますよ!」
あり得ない値引きをしてくる
これが最も多い手法です。相場がわからないお客様に対し、初めは高めの見積もりを提示してきます。
例えば、最初の見積もり額が300万円だった場合ですが
業者:「ホームページ掲載やモデル工事をさせていただいたら特別価格で半額にします!」
業者「足場代をサービスするので150万円や100万円にしますよ!」
などにより、お客様はお得だと勘違いしてしまうのです。塗装工事にも塗料の原価や職人の人件費があり、そんな大幅な値下げなど絶対に出来ません。当初の見積もりが300万円の工事を150万円や100万円に値下げするような工事は、適正価格は80万円程度のはずだからです。
オリジナル塗料を売ってくる
これも悪徳業者には比較的多い手法の一つです。
そこで、冷静に考えて欲しいのです。日本には何年にもわたって塗料を研究し、世界にも誇れる塗料の技術をもつ塗料会社があります。大手塗料メーカーは何十年も塗料の開発に莫大なコストと研究を重ねているのです、そんな大企業に勝てる塗料を町の工務店が開発出来るはずがないのです。
だからこそ、もちろんほとんどの工務店、塗装屋はこの塗料を購入して使っています。しかし、中には自社で開発した塗料なので、「一般に出回っている物よりも優れている」などと言って特別感を出している。そんなわけがないのです。
悪徳業者が行う手抜き工事の実態
もう少し具体的に、手法ではなく今度は手口をご紹介させていただきます。これは正直素人目にはわからない。ただ、このような手抜きをされる可能性があるので注意してください。契約した後でも油断は禁物です。
ケレンなどの下地作業を行わない
まず、ケレンとは塗装をする前に、サビや元々塗られている塗料の除去を行うことをさしますが、悪徳業者はそれを怠ろうとします。屋根や壁、鉄部などの清掃は外壁塗り替えの前にはかならず必要な工程であり、この処理に手抜きがあると後の剥がれの原因になることがあります。
ひび割れや凹凸の補修に手を抜いてしまうと、非常に早い劣化の原因になります。大きいヒビ割れなどではない場合には、下地は塗料で隠れてしまい、素人で は、見分けることが難しいのです。
見積書通りの塗装回数を行わない
外壁塗装は通常3回塗りをします。当然、見積書にも何回塗るかが記されているはずです。しかし、2回塗ったか、3回塗ったかなんて到底素人にはわからないのです。悪知恵を働かせる業者は見積もった回数を塗らないのです。
水で塗料を薄める
さらに悪質な場合、水で塗料を薄めます。どんなメーカー塗料にも【標準仕様方法】という「メーカーによる施工の基準」があります。塗料はその基準を守って こそ塗装本来の機能が発揮されるのです。薄めることで少ない塗料で早く広い面積を塗ることができるので、人件費、塗料の経費削減になる、非常に悪質です。
乾燥する前に重ね塗りをする
こちらも非常に悪質です。乾燥が不十分のまま2回目、3回目を塗装することで、塗料が定着しないため、早期の剥がれの原因となってしまうのです。塗装や、洗浄の乾燥時間を短縮することで、職人の工賃を削減することが出来るためです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。思い当たる節がいくつかあった方の為に、あらためてよくある悪徳業者の手法・気をつけるべきポイントをまとめておきます。
〇基本的に訪問販売には警戒する
〇即日契約は絶対にしない
〇明日、家が倒壊することはない。じっくり考ましょう。
〇耐久年数は長くて20年。それより長いのはあり得ません。
〇何十万もの値引きは基本的には不可能
〇自社開発塗料に良い塗料はない
最後まで読んでいただいた方はだいたいのことがわかって頂けたでしょうか、悪徳業者の手法は面白いくらいに上記内容に当てはまります。
上記内容に一つでも当てはまるようであれば、悪徳業者の可能性が非常に高い。十分に警戒する必要があります。 その他に、違和感を感じた部分があったら当社にに相談ください。